一般社団法人『レン・ドウ』は、先日の12月14日(水)、高松市とNPO法人アーキペラゴが取り組んでいる『保育所への芸術士派遣事業』の視察ツアーを行いました。
この芸術士事業は、現在、幼児教育にとどまらず、全国の多くの教育・育児関係者から注目されている活動です。まさに高松市の10年後の若者の将来を見据えた本気な取り組みと思われます。
しかし、残念ながら教育県と言われるわれわれの住む岡山では全く知られていないのが状態です。
【日 程】
◎2011年12月14日(水)
(岡山からのツアー参加者4名)
・8:00 岡山駅在来線中央改札口に集合
*マリンライナー11号(8:24発)で高松駅(9:17着)に移動。
・着後、芸術士の活動視察(高松市立川島保育所)。
・昼食(竜雲うどん)
・昼食後、『 第2回芸術士のいる保育』(高松市美術館)に入場。
・14:30〜 NPO法人アーキペラゴ担当者、芸術士担当との懇談会(軽い懇親会込)。
*他の視察も重なったとのことで、午後の説明会(交流会)は合同となりました。
・17:20 高松駅到着
*マリンライナー52号(17:40発)で岡山駅(18:32着)に移動。
・岡山駅到着後解散。
高松市では市内の保育所への芸術士を派遣するユニークな事業をやっている・・・というお話を聞いたのは昨年の春でした。
『芸術士活動』とは・・・? 主催は、内容は、事業規模(予算)は・・・気になる、気になる。関係の方に聞けば聞くほどその事業への興味がわいてきた。盛り上がっているこの事業のねらいは何なのか?
この疑問が今回のツアー企画の発端でした。
『保育所への芸術士派遣事業』は、高松市とNPO法人アーキペラゴ(高松市)が取り組んでいる画期的なプロジェクトです。
そのNPO法人アーキペラゴサイトに記されている活動への前文では、『アートを通じた表現活動を通してこどもたちが自律し、物事を柔軟に対応できる多様性を持った人間に育って欲しい。そして周りの大人もその過程を一緒に楽しみたい。そんな豊かな保育環境をめざし、高松市の保育所へ作家である芸術士を派遣し、こどもたちの興味や芸術活動をサポートする活動を行っています。』。それは、イタリアのレッジョエミリア市の「アート」をキーとした幼児教育の実践に影響されたの日本版的取り組みの一つでもあります。
この芸術士とは、様々な分野(絵画・彫刻・パフォーマンス・デザイン・工芸など)で表現活動する作家たちです。今年度は高松市内の公私立25保育所が参加しており、13人の芸術士各自が概ね2~3ヶ所の保育所に出向き、保育活動の中で保育士と連携しながら、子どもたちと共に造形表現的な様々な取り組みを展開しています。活動内容も素材、道具や画材等も各芸術士が起案し現場で実施しています。各保育所単位での特徴的で多彩な表現活動が行われています。
高松駅到着後、現地スタッフと合流し、最初に向かったのは、高松市立川島保育所です。園児が約180名の保育所です。
今日の案内は、芸術士の村井知之さんです。
入口(門)から入ると、縦長の校庭があり、元気でかわいい園児たちが保育士の皆さんと一緒に活動しています。
川島保育所の芸術士がかかわる活動スタイルは、校庭での活動と教室での活動です。校庭の校舎横に常設の活動テントが設置されており、ここで、画材や文房具、素材物や道具を使って表現活動をしています。
訪問した日は、大きな段ボール箱が用意され、それに着彩やガムテープやカラーテープを巻いていました。グループ的活動、一人で集中している園児・・・様々です。数人の集団で段ボール箱数個を集めて住み家にている園児たちは、意見を出し合ってどんどん内容をふくらましています。一方では、段ボールを解体してその上で熱心に絵の具を塗っている園児もいます。どの子も熱心に現状を説明してくれ、仲間にしてくれます。
担当の芸術士の伊藤 修子さんは、園児がやりたいことを自由にやらせるような感じで、ファシリテーター的に関わっている様です。
校舎に入ると、エントランス、教室、廊下・・・、園児の表現活動の展示がいっぱいです。2階の教室では、年長の園児の声が聞こえます。クリスマスの飾りもきれいに飾られていましたが、表現的作品中心の展示は、大人があまり手を出していないためか、荒削りの中に純粋無垢な子供たちしか出せないような元気が伝わってきました。
芸術士視察ツアー(高松市) 報告(その2)へ続きます!!
NOP法人アーキペラゴ 専用ページはこちら
高松市こども園運営課の専用ページはこちら
この報告を読まれて、芸術士活動に興味をもたれた方、そして幼いお子様の将来や岡山の将来を考えている皆様のご意見・感想をお願いします。